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2007年05月07日

パシフィックホテル事件

事件は会議室で起きてるんじゃない!パシフィックホテルで起きたんだ!!

本日はかなり昔のちょっとおバカなエピソードをご披露したいと思います

それは、花も恥じらう高校生の頃であった
いつも行動を共にしている僕、T.S(S)、T.M(M)の3人はその日も何するわけでもなく
怠惰な一日を過ごしていた
あてもなく・・・、若さ故のイライラやちょっとのことで直ぐ火がついてしまう危なっかしい感情をほとばしらせて
そしてMの家の近くにあるパシフィックホテルの正面玄関にさしかかったところで唐突に事件は始まったのである
きっかけはなんて事はないSとMの言い合いからであった
S 「わかんねーかな!だからおまえはだめなんだよっ!!」
M 「おまえになにがわかる いつもそうやって偉そうな口をききやがって 前から気にくわなかったんだ!」
僕 「まあまあ 二人とも熱くなるなよ」
S 「N(僕)は黙ってろ! こいつはそもそも人の話など聞けるやつじゃないんだ N、おまえもそうだ!いっつものらりくらりはぐらかしやがって・・・」
M 「おまえのわがままには負けるぜ ふんっ」
S 「なんだあー!? 逆切れかい しょうもないやつだな」
M 「そうやって 自分の世界だけで生きていけよ じゃあな」
とMが去り掛けたときにSがとうとう激高し
S 「待てよ!このくされXXX(ピー)」とそこいら中に響き渡る大声で呼び止めた
折しもこの時期は修学旅行のシーズンであったらしく、県外からの学生でにぎわっていた最中のことであった
当然彼らもギョッとした雰囲気でこちらを注視し、騒がしかった空気も一瞬にして凍り付いたかのごとく静まりかえった
M 「なんだとー こら」
僕 「おいっ おまえらやめろよ!!」
M 「死なさんねーならんさや!!」
と言うなりMはSに掴みかかっていった
Sも待ちかまえていたかのように大声を出しながらMの胸ぐらをねじり上げていた
僕は焦って中に入り止めようとした、そのときである
S・M 「うるせーっ」
とふりほどこうとしたSの肘が、慌てて中に入ろうとした僕の顎に見事にヒットしたのであった
普段温厚な僕もその時のあまりの痛さに
僕 「ぐぉらーっ 殺す」
と二人に殴りかかっていった
そのうち3人のもみ合いになり、ますます周りの注目を集めていた
突然Mが駆け出し、僕とSはそれを追いかけるべく叫びながら走り出した
僕・S 「まてぇー こら」 「たっくるす!!」と大声でわめき散らしながら
少し先の建物の陰に隠れたところで追いつき、3人めちゃくちゃになりながらどつきあいが始まった
「ぐわあっ」「おらーっ」「ぎゃあああっ」叫びとも悲鳴ともつかぬ声がそこら中に響き渡り
バキッ ドスンッ ボゴッ と争う音が重なった
さらにMが逃げる・・・追いかける僕とS・・・
ホテルの窓という窓からは先程の学生達が鈴なりになって
「うわーっ すげー ケンカだよ」「あぶねえんじゃねーの」「誰か止めにいけよ」
と口々に言いながら見ていた

もう警察が来るのは時間の問題かと思われたとき・・・

僕らは建物の陰からそのホテルからよく見えるところまで手をつないで出ていき
大声で 「ありがとうございましたー!!」と、よく舞台の最後に役者達がするように3人並んで握った手を頭上に掲げ、深々とお辞儀をしたのであった
一瞬の静粛の後、「えええええーっ」「どわははははー」と学生達の大うけの歓声が上がり
「なんだー 芝居かよ」「さいこーっ」と賞賛!?の嵐が湧き起こったのであった

そう僕らは前もって打ち合わせをし、派手なケンカの「芝居」をしたのであった
この話の発案は普段から”太陽に吠えろ”が大好きなSのアイディアで
まあ、早い話”太陽に吠えろ”ごっこを衆人の元で披露したのであった
わざと大声を出し注目させ、相手を殴るまねをして自分の身体を叩いて擬音を作りそれらしく見せかけるという、まったくもって人をびっくりさせるフェイクであったわけである

大反響の内に幕は下ろされ僕らは笑いながら肩を組み帰っていった・・・


T.Sに捧ぐ


この話を思い出したのも、実は去年のこの日にSの突然の訃報を知らされた日であったからで
ここ20年くらいはたまに会うだけの間柄ではあったのだが、彼と過ごした青春の日々は決して色あせることなくたくさんの笑いと感動に彩られたものである
しかし、お互い仕事で忙しくなるにつれ声も聞かなくなって数年・・・
本当に突然の悲報であった
彼は、名前を言えばわかるほどの有名人であり、人気者であった
人もうらやむほどのとてもやりがいのある仕事でその地位を築いたヤツだった
ただ残念なことに持病を抱え、それでも前向きに生きていった男であった
悔やむべきは、Sの苦悩を少しでも、何が出来なくても聞いてやりたかった
ただそれだけである

向こうでSは「N!俺らしいだろ!!」って言っていそうだ
おまえの好きな松田優作に逢っているかな・・・
ありがとう  S


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この記事へのコメント
友人の突然の訃報を聞く年になりましたねっ

まだ、まだ若いけれど最近は同級生の
訃報を耳にするようになりました。

ご友人の冥福をお祈りいたします。
<(_ _)>
Posted by MAGI at 2007年05月08日 10:56
>MAGIさん

ありがとうございます

今更ですが僕に出来ることは
彼との思い出とみんなが知らない彼のハートの温かさを伝えることかなーと思ったわけで
そしてまた、忘れないことが供養の一つかもしれません
思い出に浸る年頃かな・・・(^^;
Posted by Jake_B at 2007年05月08日 11:10
 
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